この にそえて ・・・ no.4


  

 トチ餅・・・ トチの実は古くから食用とされ、日本人のくらしを支えてきた。古くは縄文時代からこの木の実

   はよく食べられていたようだ。 トチの葉は30センチ程もある大きなもので、山で見かけるとすぐそれと解る。こ

   の葉でチマキやカシワ餅を包む所もあるそうだ。 実は栗に似て外には固い殻がある。 ただアクが強く、そのま

   までは苦いのでまずアク抜きをする。皮をとって水にさらしたり、灰の中に暫く埋めておいたりするらしい。一度

   試しにやってみたが、時間が短かったのか、苦くてとても食べられなかった。アクを抜いた実は臼でついてトチ

   餅などにする。飢饉などで食料が不足したとき、トチの実は最後の命綱となる。そのために、人々はトチノキだ

   けは切らずに森に残しておいた。 森に立つトチの巨木は今も多くの実を樹下に落として、連綿と森を育んでい

   るのだろう。


医王寺の栃ノ木 目通り6.3m/樹高17m/伝承樹齢1000年/愛媛県川内町北方宝泉・医王寺