この にそえて ・・・ no.35


  

 ダム・・・ 徳島の木頭村ではダム建設の是非について、県と村との議論が永く続いている。 村の中心部を

  流れる那賀川は、アユやアメゴの生息する清流で、川釣りも盛んな所。 また「木頭杉一本乗り大会」という丸太

  乗りの大会も開かれており、住民と川とが密着した今や四国でも珍しいような穏やかな風景が広がっている。こ

  の上流に細川内ダムができると、川岸の長閑な風景とともに周辺の31戸が水没して流れを失った川の生態系

  は激変してしまい、いずれは村の過疎化にも拍車を掛けるという事で村の議会では毎年建設の反対決議を出し

  続けているという事。 ダムは貯水や川の氾濫を防止するという目的の他に、発電という大きなメリットがありこれ

  は火力や原子力に比べて、クリーンで安全なとても素晴らしい設備だと思われる。 ただそれでも、ヘドロなどの

  発生で水を濁したり、 上のように生態系を変えてしまったりと様々な問題がなにかしら生じてくる事は、どうにも

  避けられないようだ。利便を求めて新しく発明される物の殆どが、後々何らかの弊害を伴ってしまう。

  なにか答えのない問題を出し続けられているような思いさえしてきます。

  


蝉谷神社の杉 目通り8.23m/樹高26m/枝張り25.1m/徳島県木頭村蝉谷・蝉谷八幡神社

《 根元はやや扁平だが真っ直ぐに伸びた綺麗な樹影で、中程から二本に枝分かれしている。神域には蝉しぐれが響いていた。 》