この にそえて ・・・ no.288                 


   

  蛭子神社の巨樹群・・・ 徳島県旧鷲敷町にあるヒルコ神社。エビス神社かと思っていたがヒルコ神社だった。

   ヒルコは古事記のイザナギ、イザナミが生んだ最初の子供だが、未熟児だったので子供の数とはせず船で海に流されたと言う。

   不遇な神様だが、後に漁師に拾われて七福神の恵比寿様になったというのはどうだ。

   四国21番札所太龍寺の麓。国道195号線と那賀川に挟まれたあたりに、高々とそびえる社叢が見える。

   前々から幹周り9mの杉があるとは聞いていたが、写真を見る限りでは、かなり痛んでいる様子であり、二の足を踏んでいたが

   機会があって参拝する事となった。

   とにかく凄い所だ。木の大きさ、高さもさることながら、樹齢1000年とも言われる神さびた老杉が乱立している荘厳な神域。

   昔ネットで見た小さな写真の幹周り9mという途中で折れたような杉は一体どれだったのだろうか、結局よくは分からなかった。

   門の手前に対で並んだ株立ちの門杉は夫婦杉と呼ばれているようだ。癒着した根元はどちらも大きいが一方は痛みが激しくて

   かなり衰えている。他にも同じほどの杉が何本かあり、単幹で最大のものは門から少し離れた画像中央の杉だと思われる。

   内部は多少空洞化しているだろうか。しかし立ち姿は美しく大変立派な大杉だ。他にも幹周り7〜8m程の楠や、画像の銀杏。

   イヌマキの巨木等がある。とにかくも、この自然の間中にこれだけの神々しい社叢が営々と守られてきた事に驚いた。

   これ程荘厳たる社叢が残る蛭子神社はたぶん無いだろうなとも思った。

   捨てる神あれば拾う神ありというが、この世は不条理な悲しみで満ち溢れている。

   拾われた蛭子は那賀川を遡ってこの地まで来て育てられたのかも知れない・・・そんな思いがふと脳裏を過った。

   ヒルコは愛情を受けてすくすくと育ち、とうとう立派な神様となって、最後は満面の笑みで海に帰っていったのだろう。

   


  蛭子神社の巨樹群 ・・・幹周り m/樹高 m/徳島県、、那賀町、和食字町、蛭子神社