この にそえて ・・・ no.285                    


 

  地福寺のフジ・・・ 石井町のJR石井駅の南側近隣に地福寺があった。

   寺はやや入り組んだ所で瀟洒な佇まいだなとも思ったが、藤の花が咲くころには境内が一変して華々しく彩られ

   藤祭りの観光客がどっと押し寄せてくるらしい。山に行くとよく木の枝に豆の鞘がぶら下がっているのを目にする。

   ソラマメなら採ってかえって食べてやろうかなどと思っていたが、あれは多分ヤマフジの種だったんだろう。寺や公

   園に植えられているのはノダフジが多く、紫の花は園芸の品種として昔から好まれていたそうだ。ここの藤は樹齢

   200年あまりのノダフジと100年ほどのシラフジで、背丈ほどの高さで2〜30メートルぐらいに伸ばした藤棚に枝を這

   わせている。根元も蔓というよりは完全な幹となって、束ねると一抱え近くはあるだろうか。上部で枝分かれしたもの

   も、まるで大蛇のような太さでウネウネと棚に沿って伸び広がっている。春ともなればコレがいっせいに花序を垂らし

   て花をつけるのだから、やはりたいしたものだ。よくこの半乾きのような幹から水を吸い上げて行き渡らせられるなあ

   と感心した。マメやイチヂクの類は本当に生命力の塊のようだな。このまま棚をどんどん広げていけば果てしなく湧き

   広がっていくんじゃないかとさえ思えてしまう。前々から気になっていたので見に来れて本当に良かった。


   地福寺のフジ ・・・幹周り m/樹高 m/徳島県、石井町、石井、地福寺