この にそえて ・・・ no.284                   


   

  高越山のアカガシ・・・ 旧山川町の県道248号線を高越山に向かって進む。

   途中から三叉路を中ノ郷に向かって上っていくと中前寺に至る。木々が開けた尾根の一角で、ここから高越山山頂に向かう登山道が

   続いているようだ。こんなところまで道が続いていたとは全く知らなかった。観察時は猛烈な寒波がきた数日後で、雪はほとんんど融け

   ていたが、直前の大雪で高越山住職が亡くなるという痛ましい事故があり、自然の猛威を感じると共に終始神妙な心持で上って行った。

   アカガシは寺のすぐ後ろの森の中にあり、ひと目でそれと分かる老木然とした樹様だった。低くから枝分かれし、樹高は高くないが根元

   あたりの苔むした樹肌は重量感に富んでいる。しかし、最近折れてしまった山城町熊野神社のアカガシを思うと、つい小さいなぁと感じて

   しまった。根元には七人塚というものがあり、注連縄のような物もあったので計測は遠慮したが、確かに貫禄のある立派な巨樹に間違い

   ない。樹齢1000年というからやはり途方も無いものだ。これからもここで長く行き続けていくのだろうか。深く一礼し山を下りた。


  高越山のアカガシ ・・・幹周り 5〜6m/樹高10〜15m(共に目測)/徳島県、吉野川市、山川町、中ノ郷、中前寺