この にそえて ・・・ no.28


       

 高松・・・ 四国の玄関口と言われた香川県高松市だが、架橋や空路の発達等で、最近はその色合いが徐

   々に薄まりつつあるようだ。 徳川期は松平十二万石の城下町で、松平氏が別荘として造った栗林御庭は今も

   栗林公園としてこの地の名勝となっている。庭園に隣接した動物園があり、子供の頃初めて行った時には、入

   り口付近に自分よりも大きそうなコンドルがじっと木にとまっていて恐かった。 この栗林公園から真っ直ぐ南に

   下ると、一宮町という所がある。 讃岐の一宮、田村神社があり、すぐ隣には札所の一宮寺があって、もとは神

   仏を合祀した所だったが、高松城主松平頼重公が神仏分離令に先だって延宝七年(1679)に独自で別当(神

   官兼僧職)を廃して現在の形となったそうだ。 田村神社は交通安全の霊験あらたかなようで、参拝時には拝殿

   の前に新車の行列ができており、これが一台ずつ神前に進み出てお払いを受けている、なんとも不思議な光景

   だった。このすぐ近くに船山神社があり、市内最大の大楠は県指定の天然記念物で樹勢も良く大変立派なもの

   だ。神殿の裏にあるため、ややひっそりと隠棲したような様子ではあるけれど、それがちょうど心地よいようにも

   見える。


船山神社の楠 目通り7.3m/樹高30m/県天/香川県高松市仏生山町・船山神社