この 樹 にそえて ・・・ no.244
明谷の椋・・・ 一宇村は平成17年半田町貞光町と合併して「つるぎ町」となった。村役場も支所となり前よりも更に長閑な所
となったのだろうか。一宇川に沿って国道を走り旧役場を越えてもう少し南に。途中明谷川と分岐する手前から右折して橋を渡る。
この道は白井林道を経て東祖谷山に続くようで、途中明谷橋を渡らずに右折して坂道を折り返すように登ると直ぐに三所神社の鳥
居が見えてくる。境内には杉、桧、樅、赤松などの大きなものがある。特に桧は樹肌も美しく背の高い立派なものだ。椋はこの境内
には無く少し手前の急斜面にあり、棕櫚や柿木等が周囲に蔓延ってややもすれば見過ごしてしまいそうになる。幹はかなり古く枝
の欠損や空洞もありそうだが総じて樹勢は良く、青々とした葉の袂には所々若い実がぶら下がっている。根元には簡素な小祠があ
るが暫くは誰も訪れていないようで樹下は隈なく雑草に覆われていた。晴れた日の昼下がり、遠くから誰かの話し声が聞こえてくる。
長閑な山間は今正に収穫を終え徐々に秋色に染まりつつあるようだ。
明谷の椋 ・・・目通り周囲6.4m(参考値)/樹高15m(目測)/徳島県、つるぎ町、旧一宇村、明谷