この にそえて ・・・ no.192                                   


              

 柳谷村のトチノキ・・・ 林野庁が平成12年に発表した「森の巨人たち百選」というものに愛媛県内で唯一選ばれ

   た巨樹。 高知県境にまたがる景勝地、四国カルストの姫鶴平から平サコ山の国有林(四国カルスト自然休養林)に向

   けて遊歩道が続いている。 トチノキをはじめシオジ、ブナ、ケヤキ、モミ、ツガ等、直径1m前後で樹齢200年程の巨木

   が1fの範囲に点在している。 遊歩道沿いの樹には樹名板があり、ヒメシャラやメグスリノキ、サワグルミ等の割合い大

   きなものが目に付き、見ているだけでもためになる楽しい道。 入り口から2キロ程、トチノキの巨樹は歩道終点の広い空

   間にどっしりと幹をおき、高く伸び上がった樹冠はその上空を巨大な枝葉ですっぽりと覆っている。 近くには、やはり背の

   高いブナやカツラが生えており、上部で枝先をつき合わせている様子。 巨木の森中でも、このトチノキだけが格段に大き

   く、おそらくは2本の幹の合体木ではないだろうか。 樹高の大きさと損傷の少ない枝張りの見事な様は圧巻で、樹全体

   の大きさからすると、四国最大のトチノキにも全くひけをとらない。 苔むした幹はコルクのように柔らかい弾力性のある樹

   皮が厚く取り巻いている。 まさに森の主的な存在で、この先もずっとここで巨木の森を守っていくことだろう。


柳谷村のトチノキ  目通り6.26m/樹高30m/愛媛県柳谷村西谷平サコ山・四国カルスト自然休養林