この 樹 にそえて ・・・ no.187
新長谷寺の楠・・・ 養老5年、元正天皇が大和に長谷寺を創建した。 その後元亀6年に時の帝である聖武天皇が
僧行基に命じて丈六の木造観音像2体を造らせ、その一体を長谷寺のご本尊としてお祭りし、残りの一体は行基が浪華
の浦から船に乗せ「御仏は有縁の地へ至り留まり給いて多くの人々を済度し給え」と申し海に流した。
その木像を乗せた船が流れ着いた地が現在の伊予三島市寒川町の黒岩磯というところで、後にこの地を訪れた僧行基が
お堂に祀られて有る木像をかの観音像と知り、都で天皇に申し上げたところ帝は大変お喜びになって「その御仏は寒川の
聖地を選んで篤くお祀り申し上げるように」との詔をはっせられた。 これが新長谷寺の由来であり、春は桜の美しいところ
で、少し弱っているようだが目通周囲り3.1mの大きなソメイヨシノなどもある。 楠は本堂の前にあり、幹のよく肥えた立
派なもの。 眼下には燧灘を一望する良い景観が広がり、境内の一帯は四国八景の一つ。 山門の前にある銀杏も端正
な樹形で門前を飾っている。
新長谷寺の楠 目通り5.1m/樹高23m/枝張り25m/愛媛県伊予三島市寒川・新長谷寺