観音堂のムクノキ


《再調査》2000,5,19

 2000年の巨樹フォローアップ調査にあたって、再度計測を行った。

 目通り周囲の計測において困難なのは目通りの起点を確定する作業で、この樹の場合傾斜地上の最上部接地点が

 下草に覆われた浮き根という難解なもので、起点にする事は無理があるようだ。

 今回は板根状に広がった根の付け根部分、幹本体での最上部接地点を起点にして、そこから上部1.3mを目通

 りの位置とした。  

 

 

(水平に計測する)

 起点より水平にメジャーを廻して計測すると、幹周は8.1mと前回よりもかなり小さい値になった。

 やはり接地点を少し見直しただけで値が大幅に変わってくる。

 

(傾斜に沿って根元の傾きと垂直に計測する)

 根元の大きさを尊重し、幹を垂直に立てたような状態を想定してメジャーを合わせてみると、こちらは前回計測した

 9.36mに近い値となった。ただ、これもどの程度幹の傾斜を取り入れるかで、値は大きく変わってくる。

 これと似た環境の他の巨樹などは、いったいどういった計測を行っているのだろうか。

 とにかく、巨樹の測定は計測者の判断が大きく値を左右する、たいへん責任の重いものだと痛感させられた。

 従って、報告にはなるべくシビアな起点を用いた今回の数値をあげました。下の通りです。


  目通り周囲8.1m/樹高20〜25m(目測)/枝張り25m(目測)/愛媛県 周桑郡 丹原町 明河 保井野・観音堂