■■ごぜんのイタヤカエデ、主幹折落■■


 何年も前から痛みの激しかった「ごぜんのイタヤカエデ」。地上4〜5mのあたりから主幹が完全に折れていました。

周囲の杉を5本ほど巻き込んで森に横たわる惨状には言葉もありません。おそらくは寿命が尽きたようです。

万が一残った株から若い枝が出て復活する事を願いたいが根元にも腐朽があり、それはかなり厳しいようです。

最初に訪れた平成3年の2月には、枝折れ等で一部幹の損傷があるものの、雪の中まだ立派に枝を茂らせて堂々

立っていました。その年の台風19号と今年の連続した強力な台風の影響が大きかったのではないかと思われますが

何百年と生きた老木がこの時代で消えてしまうとしたら、それはとても残念な事です。


■ ごぜんの森への入り口付近


 「伊予三島の歴史と伝説」という本を見てこの木を知り、是非見に行きたいと思いたってから何度も足を運びましたが

とうとうまともな写真を1枚も撮る事ができませんでした。この日も直前にデシカメのバッテリーが切れてしまい

充電済みだったはずの予備の電池にも全く逐電されていなかった為、イタヤカエデ倒壊の画像はありません。

倒れた老木の枝先には、芽吹くはずの緑の芽がまだ残っていました。少し離れた所にあるもう一本のやや小さな木も

かなり損傷が激しく危うい状態です。ずっとこの森に並んで立っていたのでしょう。ごぜんの森の悲しい伝説を思い出し合掌しました。

 姉妹の死を悼んで植えられたとい大桂は元気に立っている。 / H16.11.14