1・スタジオ全景
1972年、麻布に新設されたスタジオ。
かなり横幅の広いスタジオである。
天井には超大型のスカイライトが2基並んでいる。
俯瞰撮影も可能。
写真の左端にみえる箱型のものは、タングステン40KWの調光器。
この左に暗室がある。
2・暗室
この中で、ウルトラCの特殊技法が展開される。
基本的な設備は特に大げさではないが、そこにある道具類には特徴がある。
天井から吊り下げられているのは、ポイントソ−スライト。
ブレを起さないで、ボルテ−ジを切り替えることができる。
100ボルトからトランスを使って使用する。
3・4 暗室用具
露光用タイマ−・レジスタ−パンチ・8×10用・4×5用
レジスタ−ピン・8×10プリンティングフレ−ム
濃度計(EE)・拡大眼鏡(修正用)
修正用薬品類・修正用具
静電防止除去ブラシ・小型電気掃除機
エアブラシ・スプレ−ガンなどの器材
5・デ−タ・ノ−ト資料
デンシティによるオパシティの露出倍数表
カラ−パッチ・色分解用フィルタ−
ポイントソ−スライトには、ニュ−トラルデンシティフィルタ−を使う。
オメガ引伸機・中判以下用引伸機・フィルタ−フレ−ム
その他に普通の写真家とちがって色分解や合成に使用する印刷製版用の
フィルムが常時スタジオに置かれている。
[ 付記 ]
編集者の書いた説明では、わかりにくいところを補足しておく。
○スタジオの広さは、個人用としては広い方で20坪。天井の高さは、4.2m。
○4.2mの高さと超大型のスカイライトで、大型の家具でも均一な照明が得られ
る。 高い天井は後にカラ−・ペンジュラムの制作にも役立った。
○スタジオの広さと容量の大きい電源は、基本的な照明の質に関係する。
(例えば、ある被写体を1mの距離から100wの電灯で撮る場合と4、5mの
距離から照明して撮る場合を想定すると、何倍も明るい照明器具が必要になる
が、遠くからの方が均一な光質になる。無限大の太陽光による照明は、更に均
一で、影の境界はシャ−プになる)
○露光用タイマ−は、0.1秒単位での露光が可能で色光の正確な露光には必需品。
○濃度計は、反射光と入射光の測定が可能。
○暗室の流し台は、全紙バット4枚が並べておかれる。
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