玉井瑞夫<写真繧絃彩色>塾                 HPでの助言                            
 僕は月に2回ぐらいは、管理人ゆきのグル−プのHPを覗いてみる。そして、ある写真は
こうすれば、こんなことに気づけば本格的に良くなるだろうにと思うことがある。一方それ
ほどでもない写真がまるで誉め殺しにあっているような気の毒な例もみかける。
    
 あれだけ毎週のように写真を入れ替えるのを、写真日記と割り切ればよいが、佳作と認め
られる作品を出し続けるのは、天才的な写真家でも無理であろう。僕は写真学生や弟子を長
い間見てきたが、相当素質のある者でも、厳しい指導と修練を経て、2、3年後にやっと芽
を吹くような1、2点の作品が出始めるくらいのものである。
     
 いくら外交辞令でも、あまり初期の段階で、お互いがどれもこれも誉め合って、それが刷
り込み状態になると、自分の作品の良し悪しを判断する目を失い、謙虚な自嘲の精神を忘れ
てしまうだろう。これを修正するには10年は足ぶみすることになる。      
 瑛九が新卒の芸大生に、「君たちは芸大で受けたアカデミックな垢を落とすには10年か
かるだろう」といい、池田満寿夫には、「君は芸大入試を3回落ちたからよかった」といっ
たが、その通りになった現実を僕は見てきた。
      
 そんな心配から、ぼくは感想のカキコミをしようかと思ったこともあったが、僕の率直な
言葉は充満する誉め言葉のなかでは、まったく浮き上がり異端に思えるだろうし、ある人々
にとってはいらぬお節介なりかねず、そのことはやめにした。
     
 しかし、講座に対して質問してきた2、3の人には僕なりの回答をした。僕はこのHPの
管理人岡野ゆきに相談してみたが、中には自分の写真の率直な批評を聞いてみたいが、遠慮
している人が多いかもしれないという。僕は、機会均等の建前から、条件さえあえばある期
間、もう一歩進んだ方法を実行してみてもよいと考えた。
 それは、インタ−ネットによる研究会、つまり月例会である。            
      
 玉井スタジオの弟子(助手)の8割は、写真大学の新卒か在学中の者であった。    
 彼らは、多くの入門希望者のなかから将来性があるものとして選ばれた者で、在学中の者
も大学で授業を受ける以外の時間帯は、他の者同様に毎日定刻に出社する。こうした入門者
はもちろん相当の期間、助手としても半人前で、無断欠勤したり情熱のない助手などスタジ
オでは邪魔になるばかりで首を宣告される。                     
                                         
 ぼくは新入りにもできる限り早く仕事のポジションを与えた。責任を与えられた彼らは、
ほとんど毎日終電まで僕の仕事を手伝いながら、真剣に実践の場で写真を覚えた。
 僕が彼らをアシスタント(助手)と呼ばず、古めかしく弟子と呼ぶのは、僕が取り組む日
々の真剣勝負に、単なる助手、お手伝いでは役に立たないからである。彼らは大切な片腕で
ある。僕のやろうとしていることを、以心伝心、体で察し、敏感に対応できる自らを日本一
と自慢できる弟子になれといってきた。日本一といえる弟子は、もう立派な写真家である。
     
 自ら望んで入門した弟子たちは、最低3、4年間、まったく無給で働き、一応の免許皆伝
を認められ、後は師匠を超える努力、研鑽を言い渡されて巣立っていった。こうした人間と
しての師弟のつながりは、生涯のものになる。                    
 弟子とはいえ、無給で僕の手伝いをしながら学んだ彼らに、僕が与えられたのは、ぼくが
長年開発してきた特殊技法のすべてと、ぼくが仕事中もしゃべり続けた瑛九その他の先輩や
歴史上の先達から戴いた造形理論と玉井流の写真哲学であった。            
        
 こうした多忙の中で、彼らは自分の作品を月に1度だけ、玉井スタジオだけの10名あま
りの月例会に提出できた。彼らが楽しみにしていたこの例会は、彼ら同志での戦いの場でも
ある。腕を競いあう苦心の作を出品し、彼ら同志の激論を戦わせる場で、ぼくは彼らの意図
と技術の食い違いや新しい芽を発見し、最後に僕流の造形原理を加えながらの講評を行った
が、これも大変効果があった。      
      
 それを、やろうということである。                        
 玉井流の例会は、まつたくストレ−トな応答である。外交辞的ほめ言葉などの無駄、或は
かえつて弊害となる言動は、一切省く本音を伝えあうものになる。玉井の考えたこのボラン
ティアの成否は、参加者の熱意次第である。
    
 この新しい実験的試み、お互いに顔を知らないインターネット上で、どれだけの効果ある
例会ができるかどうか、テンポはやや遅いと思うが、ぼくはそれなりの覚悟をし、期待して
いる。
      
      
玉井瑞夫<写真繧繝彩色>塾  参加要領
    
 1。写真に対して、好奇心・情熱・集中力をもって取り組みたいという人。
   (玉井は、率直にかなり厳しいことを言う。それを覚悟で参加すること)
     
 2。信義、礼節をわきまえている人。
      
 3。入塾希望者は下記を提出すること。                      
 
   (1) 氏名。ハンドルネ−ム。性別。職業。年齢。住所。電話。Eメ−ルアドレス。 
     HPアドレス。写真歴。趣味。特技その他などをくわしく明記すること。   
     (月例会作品の提出、発表は本名、氏名で行う)
   (2) 作品5点以内を提出すること。(自分のHP上で指示してもよい)
   (3) 自分の写真への抱負、知りたいことなど自由な短文を添付すること。
     
   上記を玉井が見て、入塾の可否を決定する。
       
   (ついでながら、この講座を読んでの質問は本名に限る。ハンドル・ネ−ムのみでは
    覆面で人にものを尋ねるに等しく、ぼくは回答しない。)           
     
 4。申込者のうち入塾を許可された者には、インタ−ネット上での「玉井の弟子」相当と
   みなして、歯に絹を着せず、きびしく世界の目で対応する。
   塾生は男女、経歴、年齢を問わず平等とし、呼び名は、便宜上「君」とする。
    
 5。当塾は研究会として、必要に応じ月1回程度、作品を提出する月例会を行い、「弟子
   互選」と「先生選」を行う。発表時には、塾生の討論、塾長玉井瑞夫の講評がある。
   また、随時、質問事項(写真以外の関連質問も可)に応じ、回答、解説などをする。
      
 6。上記作品への応答をHP上に掲示したり、塾生も参加して討論することがあるが、信
   義に反するもの、秩序を乱す文言は削除する。
     
 7。「玉井瑞夫インタ−ネット写真展」は、必ず見ておくこと。
    (回答時、これまでの講座の該当部分を引用し、指摘することが多い。また造形の
     問題は何回も読まないと、誰しも体につかないものである)
   
  8。僕の講座に対する評論、感想または質問等を、毎回GuestBook(玉井の掲示
   板)に記入すること。
           
 9。玉井の時間、体力などから、対応がかなり不定期になることもあり。また、この試み
   の期間は、様子を見ながら行う。効果なしと見れば即時止め、あるなら体力の続くか
   ぎり行うつもりである。
       
10。入塾の可否は現在の力量よりも 1。2。の条項を重視する。また、1。2。に欠け
   当塾のル−ルを守らず、名誉を損ない、あるいは塾生間の調和を乱す言動あるときは
   退塾を勧告する。   
      
    
  ★この星印をクリックすると、補足説明(2001.7.14)があります。
    

 * これに対応して参加したい人は、HPを管理するゆきに申し入れること。     
   あまり多数の場合は、僕の時間、体力などから対応ができないこともあり、また、ぼ
   くの友人知人たちで現役引退後、プロによる添削(有料)組織や新聞社が主催するカ
   ルチャ−教室の講師などがあり、これらへの配慮を含め、ぼくはむやみな拡大は望ん
   でいない。  
    
                 
   メ−ルの宛先  ゆき(bellrose@dokidoki.ne.jp

            

                
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