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カテゴリ:幕末全般
明治維新は欧米でいう市民革命であったか?
2005/3/19(土) 0:28
・明治維新では一般市民も農民も何の役割も果たしてないわけで、とうてい市民革命とはいえません。王政復古も戊辰戦争もあくまでも日本の危機を知った支配階級同士の騒乱で、一般人はただええじゃないかといって踊り狂ってたに過ぎません。戊辰戦争の時のシラケた農民の顔をみて、板垣退助がこれではいかんとのちに民権運動をするわけです。封建制廃止(廃藩置県)も、支配階級が自ら実行したのです。それでも明治は封建的で不自由な時代だったなどと、一般国民がいえた義理じゃないのかもしれません

・明治維新はあくまでも明治維新であり、どの型にもあてはまるという性質ではない、と、司馬さんは書いておられます。

・最終的に明治政府の主導権を握ったのが、武士、公家などの特権階級である以上あくまでも「維新」であって「革命」ではないと思います。

・欧米の市民革命とはちがう部分はありますが、革命といっていいのではないでしょうか?政治的支配権のない武士たちが多数奔走してなった維新です。その中には脱藩浪人も百姓あがりの人たちも数多くいます。奇兵隊しかり、大村益次郎が指揮した軍隊しかり。決して「支配階級同士の騒乱」などではありません。

・欧米でいう所謂「市民革命」ではないと思います。江戸幕府は軍事政権だから、被支配者(一般市民)が反抗しているわけでもないし、地方の武士が政権を天皇の名を借りて奪取している。軍事政権から王政復古するなんて聞いたことがねえよ。

・「革命」ではなく、ある意味での「変革」ではないでしょうか。従来の幕藩政治の社会体制を革め、維新政権を担ったのは薩長土肥の旧武士階級だったからです。すくなくとも被支配階級による維新でもないですし、フランス革命のような革命性はないと思います。また攘夷論は、幕末後期にあっては、単に幕府打倒のために使われた政治的手段であって、攘夷派も開国論を唱えています。

・「革命」という言葉が、その司馬さんの小説が書かれた例えば昭和三、四十年代当時はどのような響きをもっていたか、などの理解も併せて小説を読むと二重に歴史を楽しむことになると思います。三国志(漫画の)ですら「大革命ロマン」なんて触込みがされていたし。まあ現在では「革命」などという言葉に魅惑される人間もいないし、マルクス主義の崩壊で、明治維新のような歴史上のある事件が「革命」であったかどうかを規定することにも意味がなくなりました。

・ある種、地方権力者が現政権を打倒して、政権を奪取したのだから「クーデター」だと思います。市民は全く関係なかったと思いますし・・・。(奇兵隊を志願兵部隊と見る向きもありますが・・・)

・こういう事件は世界史的にも珍しい。市民革命では断じてないが、武家政権から王政になった例は余りないのでは。日本の場合天皇がいたことが、特殊な歴史になっている。



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