アニメさ行


千と千尋の神隠しオススメ度:★★★★☆

上映時間:125分*製作国:日本*初公開年月2001/7/20*ジャンル:ファンタジー
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スタッフ
原作・脚本・監督:宮崎 駿
プロデューサー:鈴木敏夫
製作総指揮:徳間康快
製作:松下武義/氏家齊一郎/成田 豊/星野康二/植村伴次郎/相原宏徳
作画監督:安藤雅司/高坂希太郎/賀川 愛
美術監督:武重洋二
色彩設計:保田道世
デジタル作画監督:片塰満則
映像演出:奥井 敦
音楽:久石 譲/主題歌 「いつも何度でも」/歌:木村 弓
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声の出演
荻野千尋:柊瑠美(ひいらぎ・るみ)
ハク:入野自由(いりの・みゆ)
湯婆婆(ゆばーば):夏木マリ(なつき・まり)
釜爺(かまじい):菅原文太(すがわら・ぶんた)
お父さん(荻野明夫):内藤剛志(ないとう・たかし)
お母さん(荻野悠子):沢口靖子(さわぐち・やすこ)
カオナシ:中村彰男(なかむら・あきお)
父役:上條恒彦(かみじょう・つねひこ)
兄役:小野武彦(おの・たけひこ)
青蛙:我修院達也(がしゅういん・たつや)
坊:神木隆之介(かみき・りゅうのすけ)
リン:玉井夕海(たまい・ゆうみ)
番台蛙:大泉洋(おおいずみ・よう)
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◆空前の大ヒットとなった宮崎アニメ「もののけ姫」が、あまり好きではなかった為、この作品にも
世間が過大評価するほどの期待は寄せていなかった。ところが、観賞してビックリ!実にわかり
やすいファンタジーな舞台ではないか。わくわくするというのは、こういうアニメのことなのかな?と
思った。いつもは実にわかり辛くて、到底私の頭では宮崎作品の意図するところなど、生涯わかり
うる筈もない・・・と、ひねくれてしまうのだが、今作は私なりのテーマを掲げることができたことが、
偉大な作品であることを物語っている。創造性の豊かな子供にも、頭の固い大人にも、考える力を
養ってくれる、神隠しにあったような鋭いメッセージがそこにある
。「ある事とない事」、「存在する事
と存在しない事」、「存在する意味と存在しない意味」をしみじみと考えさせられる映画だ。まず、この
ありえない風呂屋の舞台へとタイムスリップした千尋と家族。これは真実だったのか?幻だったの
か?その世界で千尋は、家族だけでなく名前までも奪われ「千」として働くこととなる。ここで「千」は
自分自身に「尋ね」続けることにより、千尋という名前を取り戻すことができる。誰もが自分の名前な
んてあって当たり前だと思っている。しかし自分自身に名前があるというのは、その子の人生を左右
するほどの1人1人の大切なプロセスがあるのだ。子供の頃、名札を忘れた子がよく、「ななしのごん
べい」という紙の名札を付けられていたが、「ななしのごんべい」にだって、そのプロセスはある。また
汚れた河・子供を問答無用に溺愛する母親・強者に注意もできずペコペコする民衆・金に目がくらむ
盲者・印鑑1つで何でも成立してしまう世の中に絶望した「カオナシ」が登場するが、現代の闇(病み)
の象徴のような気がする。カオナシを通して、魂の抜けた人々・モラルのない人生・目が見えない事
より悲しい心のない人間達への教訓が刻まれる。そして最後には、千は千尋となって現代に戻って
くるが、「コハク川」の精霊だったハクは、元の世界に帰ってくることはなかった。1度失ったものは、
2度と復活することはないという現代社会への警告と受け止めることができる。カオのない人間がいる。
名前のない人間がいる。心のない人間がいる。何ももたないのに、欲だけはある。そんな底ナシの
傲慢さを、時に振り返って、恥ずかしいと思うことができるアニメではないでしょうか。