平成13年11月8日に行われた市長の定例記者会見の記事について、新居浜市のHPより祭礼関係部のみ転載致します。
二次転載はご遠慮願います。
(新居浜市長 佐々木龍殿より転載許可済)

新居浜市のHP↓
http://www.city.niihama.ehime.jp/

[秋祭り]


〈記者クラブ〉
 今年の新居浜祭りについて、お伺いします。4年ぶりに鉢合わせが発生したが、結果に対する感想と鉢合わせ防止に向けた来年以降の取り組みについてお伺いします。
〈市長〉
 けが人が出たことは残念です。真剣に取り組んでこられた方の気持ちを思うと、非常にやりきれない思いをしております。過去に、意識啓発の意味でシンポジウムとかフォーラムを開催しているが、1年だけ開催した理由と中止した理由とか、行政効果について、検証はできていないと反省しています。お祭りと観光の受け止め方が人によって異なるでしょうが、行政としては祭礼に関連した太鼓台の運行ということと、それぞれの地域で所有しているものだということから、運行については自治会や太鼓台運営委員会が主体になって取り組むものと思っております。行政として今までどおりではいけないという気持ちもあり、もう一度考え直したいと思っております。
〈記者クラブ〉
 ポスターに平和運行とありますが、新居浜市が考える平和運行とは何なのか。先ほど市長から真剣に取り組んでいる人たちの気持ちを思うと、今回の鉢合わせはやりきれない心情を述べられておりましたが、17日にけが人が多数出ていながら最終日に市長が太鼓の運行についていたことに非難も出ています。それに対してどう思われますか。
〈市長〉
 市長という立場からすると、休みもないと思っています。午前中はプライベイトな時間と思っていましたので、自分の地区の太鼓台と行動を共にしておりました。
〈記者クラブ〉
 新居浜市としての平和運行をどのようにとらえていますか。
〈市長〉
 かきふにも観客にもけが人の出ないお祭りです。
〈記者クラブ〉
 市長は午前中はプライベイトだったと言ったことですが、プライベイトだから何をしてもいいわけではないと思います。17日、あれだけのことがあったのですから、その時点でホームページ上で「どこそこで何々がありました。気をつけてください。」という緊急アピールを出すこともできたと思います。そういう配慮はできなかったのですか。
〈市長〉
 17日、雨天による運行計画の変更はすぐに市のホームページに掲載しましたが、怪我に対する緊急アピールは思いつきませんでした。
〈記者クラブ〉
 祭り前の記者会見では行政ができることは市民の方に平和運行を呼びかけるだけだと、呼びかけをするしかないと受け取りました。実際、かきふの中に市の職員がいますよね。庁内での徹底として、どれだけのことをしたんですか。
〈企画調整部長〉
 祭り前に、警察署長さんの言葉も含めて職員で運営にあたっている人は平和運行につとめるように指示をしております。
〈記者クラブ〉
 結果的に効果がなかったということですか。
〈企画調整部長〉
 職員も自治会関係で太鼓台にたずさわっている者もいると思います。職員が役員になっているところでは、平和運行の徹底をするように指示をいたしました。
〈記者クラブ〉
 松山市では逮捕者も出ています。今のところ何もないですが、被害届が出れば警察は捜査をするでしょう。その際、事情聴取で職員が呼ばれることもありえますが。
〈市長〉
 そういった仮定の話には答えようがありません。事件の対象となれば、それは基準に基づいて取り扱うことですから。
〈記者クラブ〉
 平和運行にしなければいけないというのは常に仮定の話でしないといけないでしょう。それに対して、それが十分であったかどうかを聞くと、今回はそれができていなかったと思いますが。
 お祭りの時に、市の職員は何人くらい出てきているのですか。
〈企画調整部長〉
 3日間の中でそれぞれの課において休暇を取ることができます。16、17日は、何割かの者は休暇をとっていますが、18日はかなりの職員が交替で休みます。
〈記者クラブ〉
 職員だから祭りに出るなという意味ではないのです。市が後援しているわけでも主催しているわけでもないのに、それだけの人数を空けて業務は通常どおりすすみますか。
〈企画調整部長〉
 お祭りのときの業務として支障はありません。業務量に応じて出勤をしております。
〈記者クラブ〉
 量的な事務のことなんですか。市長がよく言う「本当に困ったときの市役所づくり」というのはそういう意味のことなんですか。量的にこういうことがこなせるからこれぐらいの人数だったらという。
〈市長〉
 お祭りの時には業務がこなせる体制ができているということです。
〈記者クラブ〉
 よく分からない。
〈市長〉
 必要なところには必要な人を置いています。
〈企画調整部長〉
 緊急の場合には職員をすぐ呼び出すような連絡体制もとっております。
〈記者クラブ〉
 本当に来れる連絡体制ですか。車の渋滞状況をご存じですか。
〈企画調整部長〉
 携帯電話がありますから。会場にいる職員にも、自宅にいる職員にも緊急体制で連絡がとれるようにしています。
〈記者クラブ〉
 それは当然のことと思います。
〈記者クラブ〉
 警察が県内の他所からも応援を呼んで、これ以上は難しいだろうなというところまで警備体制をとっていることに比べたら、新居浜市の体制はどうなのかという率直な疑問はあります。
〈市長〉
 お祭りの警備に職員を出せということですか。
〈記者クラブ〉
 それも方法の一つとしてあるでしょうね。
〈市長〉
 かきくらべの場所に商工観光課の職員を中心に出てますけど、市主催のイベントのように準備をしたり警備をしたりという考え方はありません。
〈記者クラブ〉
 そうでなくても、もう少し具体的な形で平和運行に対する呼びかけができていれば、それだけ警察の方から警備を投入することはないんですよね。あの3日間に警察は2千万円経費を出しています。毎年無条件に2千万円がこの市に落ちています。そのこと考えたら、市として何か方策があるのではないですか。
〈市長〉
 統一寄せのところではガードマンとか交通整理員を雇う費用を推進委員会を通じて費用を出しているわけです。
〈記者クラブ〉
 その推進委員が雇うガードマンに市民の命を託すということですか。
〈市長〉
 それは交通整理のことですから。
〈記者クラブ〉
 市民の命を守るには、どうしますか。市は警察だけに守ってもらうのですか。新居浜市民の命は新居浜市で守れないということですか。
〈市長〉
 命を守るということと、その話は違うのではないですか。命を守るために何かをしろというのは役所総出で守ってあげなさいということですか。
〈記者クラブ〉
 平和運行に対してもう少しできることがあるし、その警備についてもこれだけのものを警察に用意してもらわなくてもこっちでできることはできるし、用意されないために何らかの手段を打つこともできると思います。何か事故があったときに責任を持つわけでもない。こういう曖昧な立場が問題だと思います。市長が平成9年の事故があったときに市に申し入れしてますよね。市は何かことがあったら、これは地域の祭礼行事だとして片付けてしまって責任をとらないということになっていますけど、その考え方は今も変わっていないのですか。それとも変わったのですか。
 あのとき、市長はアピールされた中に、行政がもっと祭りに関わるべきだと文言があったと思います。
〈助役〉
 市長も私も決してこのままでよいとは思っていない。何らかの形で一歩でも二歩でも踏みださないといけないと考えています。
〈市長〉
 太鼓台というものを観光資源としてとらえるならば、祭りとはっきり分けた形での取り組みを市が考えていけるかということでしょう。お祭りと違う形で、市の行事として太鼓台をかきくらべをすることにまとまっていくことであればという考えがあります。お祭りと一緒にした中では限界もあるし問題もあります。
〈助役〉
 行政が踏み込みたくても踏みこめられない部分があります。地元が5千万円とか1億円の資金で太鼓台をつくっている事実です。それを自らが修理もし、管理もしている中で、行政がどこまで強い指導力を出せるかということがあるわけです。政教分離云々という話は出ないと思いますが、そもそも神事として、みこしの後ろに太鼓がついて行ったのが今日の祭りになっていることです。そのあたりのこともあるが、とにかく一歩でも二歩でも前へ踏み出そうというのが市長の考え方です。ただ非常に奥の深い複雑な要素が絡んでいるので、一つ一つ乗り越えないといけない非常に難しい問題があります。
 40年、50年新居浜を離れて、たまたま今年帰ってきて、やはり太鼓の音を聞くと、その人いわくDNAが騒ぎ出すというんですよ。いい意味でも悪い意味でも、これが新居浜の市民性ではないかという部分もあります。太鼓の音というのは、新居浜の市民の方にとっては非常に懐かしい。新居浜に帰ったなという意識が強いらしいんです。
〈市長〉
 太鼓のホームページを見ていると、太鼓が危険ならカバーをつけるとかブレーキ機能をつけるか、もっと具体的な議論もありますけど、危険をどうやって最小限に受け止めるのかとか絶対起こさないというのも前提なんだけれども、起こりそうになったときに起こったらどうするかというような事を考えようとか、そのような意見もあります。絶対起こさないといっても起こったら終わりになるのだけれども、起こりそうなとき或いは起こりかけたときにどうすれば防げるのかということも具体的な話になります。絶対駄目だということだけだと、あとは程度問題という事で歯止めが効かないことになります。起こりうるという事での危機管理の意味ではどう防いだらいいのかと考える方法も必要かもわかりません。山根グランドでシートを止めるのに石づみの石をはがして重しにしているようなことは非常に残念でした。お祭りになるとちょっと理性を失う所がありますから、そういうことには訴えはしていきたい。
〈助役〉
 長い歴史がありますから、皆さんが厳しくおっしゃるのはよくわかるんですけど、そういう中で年数が経ってきて、それぞれ年度年度で努力を払ってきています。一歩でも二歩でも踏み込んでいきたい。
〈記者クラブ〉
 確認なんですが、行政として何らかの手を打ちたいという考えはあるんですか。
〈市長〉
 市民の方や運営されている方と協力をして平和運行の祭り作りに行政として関われる事は精一杯考えていきたいと思います。市外の人からもメールもらってます。新居浜太鼓祭りではPRになっていないのでドラムフェスティバルと名前を変えた方がいいとか、秋祭りは秋祭りだというふうにとか。太鼓というものに思い入れが強すぎるんじゃないかという指摘も頂いてます。