タイトル | : 月の決め方 |
投稿日 | : 2012/08/01(Wed) 11:00 |
投稿者 | : あぶ管理人 <akira_hamanaka@yahoo.co.jp> |
国際日付変更線というのをご存知ですか?そうです。太平洋のほぼ真ん中にギザギザの線で描かれていますね。
あの線は便宜上に人間が作ったものです。不思議なことに自分の島が7月20日でも西隣の島は7月21日になってて、1キロ動いただけで日付が変わることもあります。普通は東側が7月20日、西側が7月21日になっているものです。ついですが、そうなってないところもあります。アメリカのハワイとキリバス。キリバスが数百キロも東にあるのに7月21日になってます。これは政治上の境界線が影響しているからです。それがギザギザの理由です。
さて、イスラム暦を考えましょう。
7月19日日没後日本で新月が見えなかった。だから断食は21日から、韓国で新月が見えた、だから断食は20日から。
おかしいと思いますか?おかしくないんです。これは当然起きうることです。
月の観察は日没後まもなくのこと、そして月はすぐに西の地平線へ沈みます。日本の夕暮れ時月齢0.1だった。だから見えなかった。韓国の夕暮れ時、月齢0.2だった。だから見えた。ごく当たり前のことで、そうなってしまうと、今回の太陰暦の日付変更線は対馬海峡にひかれたことになるのです。
この状況で、日本と韓国は暦が統一してないとは言えないでしょう。韓国より以西の国はみんな月が見えるでしょう。どんどん月齢が増えていくから当然のことです。この状況で日本だけ日付が違うのではなく、対馬海峡に太陰暦の日付変更線が引かれたというべきなのです。
まとめますと、太陽暦の視点では、日本、オーストラリア、ニュージーランドが21日ラマダーンで、韓国以西が20日がラマダーンで、ラマダーン1日が国によって違うということになりますが、太陰暦の視点ではすべての国が同じ日にラマダーン1日なっており、日付変更線は対馬海峡ということなのです。この説明で理解できますか?
ハディースに『新月を見て断食をし、それを見て断食を明けなさい。もしも曇ってたら30日を全うしなさい』とあります。
最後の一文で、見える月齢状態であっても曇ってたら30日までと述べていますから、つまり、実際に目で見えないものは採用しないという意味なのです。それから言えることは、天文学の月齢数字を月の決定には採用しないということになります。
この方式でやっている国が多く毎月の断食突入日が寸前に決まっています。ただ、現実は、太陰暦日付変更線のギザギザ具合は大変なことなり、飛び地までできてしまっている状況です。
一方、月齢数字のみ頼りに年度初めに暦を作ってしまう国も若干ではありますが存在します。トルコはこちらを採用しているようです。
今日本では、すべての団体、マスジドで構成する新月委員会は前述の目視方式をとっています。
しかし、東京ジャーミイのみトルコの暦に従ってます。東京ジャーミイは本来トルコ大使館の文化センターであり、太陽暦の日付に従ったトルコの国民の祝日に従うのでしかたのないことです。よく考えてみれば、トルコ本国の月齢で暦が出来上がっており、遠く東に位置する日本は月齢が全く違うはずですが、日本の月齢が反映されてないのも不思議な点です。でも、そういうルールを作っているので、そうなるのです。
厳密なことを言うならば、実は、新月委員会が採用する情報も西に位置するマレーシアの情報を採用するのはおかしなことです。でも、それもそういうルールにしているので、そうなるのです。