タイトル | : 基本的には・・・ |
投稿日 | : 2010/08/18(Wed) 03:16 |
投稿者 | : sloth(非イスラム教徒) |
命や健康とラマダーン中のサウム(断食)、どっちをとるのかといえば、
命や健康の方です。
体を壊してまでサウムしろとは、クルアーンにもハディースにも書いてありませんし。
ですから、老人、子供、妊婦、ある程度の傷病人などは断食は免除されています。
(授乳中の女性は、法学派や法学者により免除される場合と、免除されない場合があります)
あと、生理中の女性も断食が一時的に免除されますが、この場合は、一時的に断食を中断した分を後でやり直すという法学派が多いですね。
(あと、老人、子供、妊婦、ある程度の傷病人などの場合は、あとから断食のやり直しをしないで良い法学派が多いです)
それから、痴呆の人や、精神障害者の場合は、サウム(断食)をしなくても良い(というかサウムをすること自体が無意味である)としている法学派も、あります。
・・・で、ラマダン月のサウム(断食)とは直接関係ないですが、餓死しそうな時に、飲食物が豚肉とお酒しかない場合は、それらを食べることは、100%禁忌なハラームにはあたりません。
・・・と、いうわけで、スンニー系の諸法学派のメインストリームでは、健康と断食とどちらをとるのかと言われれば、健康をとるべき、というコトになっています。
ですから、重度の熱中症になってしまった人が水分補給をすることは、ハラームではありません。(水分取らなくてなんとかなるレベルの熱中症の場合は、よくわかりませんけど・・・)
で、熱中症対策として、我々非イスラム教徒が水分を差しだす行為自体はハラールでもハラームでもありません。
(非イスラム教徒は、キリスト教徒やユダヤ教徒などを除き、死後は自動的に地獄行きなので、その言動は、善行も悪行も関係ない、無意味な<圏外>な言動になるんですよね・・・)
で、そーゆー非イスラム教徒から差しだされた飲み物を受け取って、飲むか否かは、各イスラム教徒が、自分の肉体的状況を鑑みて判断すべきものですので、多神教さんがポカリスエットなどを提供したいと思えば、提供なさればいいと思います。
それから、基本的には、ラマダーン月のサウム(断食)は、健常な肉体とちゃんとした判断力を持った成人イスラム教徒の義務ですので、
ブルー・カラーの労働者だろうとホワイト・カラーの労働者だろうと、職種に関係なく、飲食・喫煙などを絶たねばなりません。
また、断食月の断食のルールとして、断食をしていても断食をしていない時と同じ生活をしなければならないというモノが、<原則的には>、あります。
(断食してるからといって、仕事の質・量・時間を減らしてはいけないなど・・・)
ですので、どこぞのアラブ産油国のお偉いさんが出した「肉体労働者は断食の一部免除」というヤツは、イスラム教徒内でも賛否両論があるようです。
そこら辺の事情を踏まえると、イランのスポーツ選手の断食にまつわる解雇の件は、「あり」ともいえますし「なし」ともいえますね。
・・・大金持ちのイスラム教徒の中には、今年は南半球のめいっぱい南なあたり過ごす人もいるそうですよ・・・。(今、あちらは冬で、日が短いですからね〜・・・)