[リストへもどる]
一括表示
タイトル中国ムスリムの地震被害
記事No639
投稿日: 2008/05/25(Sun) 01:01
投稿者hamzä
アッサラームアライクム
中国四川省での大地震、ムスリムの間でも被害が深刻なようですね。


*************************************************************

http://mainichi.jp/select/world/news/20080522ddm041030003000c.html

中国・四川大地震:豚肉食べられぬ、土葬にこだわり イスラム教徒の回族、深刻

 【成都(中国四川省)鈴木玲子】中国・四川大地震で、被災地域に居住している少数民族の一つ、回族の食事や遺体の埋葬が問題となっている。回族はイスラム教徒のため食事の規律が厳しく、避難所の食事を受け付けないケースが相次ぐ。埋葬方法をめぐっても回族の習慣を尊重できない状況に不満が漏れ、56の民族を有する多民族国家特有の被災地事情が浮かび上がっている。
 四川省には震源地の〓川(ぶんせん)県や北川(ほくせん)県などを含め約20万人の回族が暮らす。地域によって情報の差があり、成都のイスラム教協会も今回の地震による回族全体の被害状況を把握できないという。
 回族は豚肉を食べず、羊肉や牛肉でもイスラム教にのっとった方法で調理しなければ口に入れない人もいる。地震後、最大級の避難所、九洲体育館(同省綿陽市)などでは回族向けの食料が配られたが、小規模の避難所にまでは行き渡らないのが現状だ。
 同省都江堰(とこうえん)市で被災し現在、成都市の避難所で過ごす回族男性(58)は「一度だけ回族向けのキノコの缶詰が送られてきたが、あっという間になくなった」と振り返る。「それ以降、イスラム教徒用の食事は一度もなく、漢族と全く同じものを食べている」と苦悩を語った。男性によると、イスラム教にのっとった料理以外を拒絶する人は高齢の回族に多く、長引く避難生活の中で健康への影響も懸念されている。
 イスラム教協会やボランティアらが回族用の食事を一部の避難所に送り届けている。だが、余震の影響で搬送は順調ではないという。
 埋葬問題も深刻だ。回族は土葬が原則で、同省青川(せいせん)県災害救援指揮部は「まず火葬か土葬かを遺族に確認している」という。回族の被災者には金銭的余裕のない人もいて「墓地が買えないため火葬される人もいる」との不満の声も聞かれる。
 また、土葬の場合でも、埋葬前には身を清めるきれいな水が必要だが、「その水が不十分で、神に許しを請うてから埋葬している」(イスラム教関係者)地域もある。
毎日新聞 2008年5月22日 東京朝刊

タイトルRe: 中国ムスリムの地震被害
記事No640
投稿日: 2008/05/25(Sun) 03:56
投稿者ムスリムン
アッサラームアライクム

こういった生死に関わる状況の場合は、ムスリムでも豚肉などを食べることがシャリーアにおいて許されているので、逆にハラール以外を拒否するのは嫌悪される(マクルーフ)のではないでしょうか?ひょっとしたらハラームかも?どなたか知識のおありになる兄弟姉妹、ご存じないですか?

ワッサラーム


> アッサラームアライクム
> 中国四川省での大地震、ムスリムの間でも被害が深刻なようですね。
>
>
> *************************************************************
>
> http://mainichi.jp/select/world/news/20080522ddm041030003000c.html
>
> 中国・四川大地震:豚肉食べられぬ、土葬にこだわり イスラム教徒の回族、深刻
>
>  【成都(中国四川省)鈴木玲子】中国・四川大地震で、被災地域に居住している少数民族の一つ、回族の食事や遺体の埋葬が問題となっている。回族はイスラム教徒のため食事の規律が厳しく、避難所の食事を受け付けないケースが相次ぐ。埋葬方法をめぐっても回族の習慣を尊重できない状況に不満が漏れ、56の民族を有する多民族国家特有の被災地事情が浮かび上がっている。
>  四川省には震源地の〓川(ぶんせん)県や北川(ほくせん)県などを含め約20万人の回族が暮らす。地域によって情報の差があり、成都のイスラム教協会も今回の地震による回族全体の被害状況を把握できないという。
>  回族は豚肉を食べず、羊肉や牛肉でもイスラム教にのっとった方法で調理しなければ口に入れない人もいる。地震後、最大級の避難所、九洲体育館(同省綿陽市)などでは回族向けの食料が配られたが、小規模の避難所にまでは行き渡らないのが現状だ。
>  同省都江堰(とこうえん)市で被災し現在、成都市の避難所で過ごす回族男性(58)は「一度だけ回族向けのキノコの缶詰が送られてきたが、あっという間になくなった」と振り返る。「それ以降、イスラム教徒用の食事は一度もなく、漢族と全く同じものを食べている」と苦悩を語った。男性によると、イスラム教にのっとった料理以外を拒絶する人は高齢の回族に多く、長引く避難生活の中で健康への影響も懸念されている。
>  イスラム教協会やボランティアらが回族用の食事を一部の避難所に送り届けている。だが、余震の影響で搬送は順調ではないという。
>  埋葬問題も深刻だ。回族は土葬が原則で、同省青川(せいせん)県災害救援指揮部は「まず火葬か土葬かを遺族に確認している」という。回族の被災者には金銭的余裕のない人もいて「墓地が買えないため火葬される人もいる」との不満の声も聞かれる。
>  また、土葬の場合でも、埋葬前には身を清めるきれいな水が必要だが、「その水が不十分で、神に許しを請うてから埋葬している」(イスラム教関係者)地域もある。
> 毎日新聞 2008年5月22日 東京朝刊

タイトルRe^2: 中国ムスリムの地震被害
記事No641
投稿日: 2008/05/25(Sun) 11:05
投稿者hamzä
>ムスリムでも豚肉などを食べることがシャリーアにおいて許されているので


シャリーア的にはまさにそうなのでしょうけれど、中国ムスリムの場合はやや特殊な状況かと思います。回族は世界の他地域のムスリムに比べて豚肉食への忌避感・危機感がひじょうに強いようです。

上のような法規定を知らない人は多いでしょうし、また知っていても食べることを拒否する人はいるでしょう。中国国内外のムスリム団体による支援が充実してほしいです。

タイトルRe^3: 中国ムスリムの地震被害
記事No647
投稿日: 2008/05/26(Mon) 11:05
投稿者イブラーヒームK.T   <karadaglar@hotmail.co.jp>
参照先http://atmarkjojo.org/
> >ムスリムでも豚肉などを食べることがシャリーアにおいて許されているので
>
>
> シャリーア的にはまさにそうなのでしょうけれど、中国ムスリムの場合はやや特殊な状況かと思います。回族は世界の他地域のムスリムに比べて豚肉食への忌避感・危機感がひじょうに強いようです。

そうなのでしょうね。歴史的に弾圧・迫害を受けてきたことと、言語や生活習慣で漢族とあまり変わらない分、宗教的・民族的アイデンティティがこういった形で表れているのではないでしょうか。何しろ東アジアは世界でも少数派に対する同化圧力が極度に強い地域ですから。

 それはともかく、非常事態では豚肉や死肉の食用も許される事は確かです。ただ、ハラールが手に入るのにそれを口にしなかったり、必要でないのにハラームを口にした場合は罪に問われるので、現地の状況をこの目で見ていない我々には何とも言えません。
>
> 上のような法規定を知らない人は多いでしょうし、また知っていても食べることを拒否する人はいるでしょう。中国国内外のムスリム団体による支援が充実してほしいです。

 知らない人は多いと思います。中国ムスリムも伝統的にはリベラルなハナフィー学派ですが、旧ソ連時代の中央アジアと同じく、文化大革命で多くのマスジドやマドラサが閉鎖もしくは破壊され、ウラマーが投獄や処刑の憂き目に遭っているため、イスラームの知識がかなり奪われているはずです。頭では分かっていても人間は感覚的にどうしても嫌なものを受け付けないのは当然です。

 例えば、ジャナーザ(葬礼)には清めの水が必要ですが、戦争、疫病、災害で亡くなった人は殉教者で、殉教者の埋葬には清めを必要としませんので、そのための水の確保の必要もないはずですが、清めのための水が足りないと事態は深刻だという記事をよんだので?と思いました。

 いずれにせよ、数年前のトルコやイランの地震、スマトラ沖の地震による津波の被害の時のように、国内外で義捐金を募って中国のムスリム団体に送るのが我々にできることではないでしょうか?