熱中症、スポーツ選手については私の現場でもあり、答えておかねばなりません。
イスラムではサホール(断食に入るときの食事)はできるだけ遅く、そして、フトゥール(断食明けの食事)はできるだけ早く取るように薦められており、負担が少ないように配慮がなされております。 やせ我慢大会出場者が断食をしているのではなく、世界の16億のムスリム全員が断食をしていますので、ちゃんとやり方を守っていれば、普通の仕事をしている人なら誰でも問題なく断食はできるものです。
ただ、これも個人差がありますので、どうしても空腹で耐えられない、体温が上がって続けられないなどの理由があれば、その場合は断食を中断してもいいでしょう。
私は現在ヌサ・マハスリというマレーシアのプロバドミントンチームに関係しています。バドミントンはプロ選手にとって過酷な競技です。ヌサ・マハスリのホームページの中に7,8年前にこのように書きました。
★ラマダーン月の断食期間の練習について ラマダーンとはイスラム暦9月のことであり、年に一度めぐってくる聖なる月とされている。人々は俗生活に反省をし、自分の生活を見直す期間であり、また、日中は日没まで飲食を絶つというのが、このラマダーン月である。ヌサマハスリのメンバーの大半はイスラム教徒であり、断食を行なっている。 ミスボンコーチ曰く「ラマダーン月の練習こそ、神の祝福があり価値がある。他国の選手が練習しているときに、断食だからと練習を休めば差をつけられる。逆に、気合居れて行なえば、ラマダーン月だからこそ神のバラカ(めぐみ)は絶大なのだ。」 ということで、断食期間中も、普段と変らぬ練習を行なうとの意気込みである。水分を取らずに練習することは、熱帯のマレーシアにおいては過酷であり、どうしても普段と同じ練習は無理だろうが、その期間にこそ精神力が養われるようだ。
http://nusa-mahsuri.com/nusa4.htm から抜粋
実際体温が上がりながらも必死になって練習している彼らを見ており、ときどき額に手をあてて体温の具合をみています。私も学生時代、同様に練習をしていました。これは肉体労働よりもはるかに過酷で、限界に挑戦しているようなものです。練習が終わって夕方にはふらふら状態。。。。
このチームでは、コーチは、断食を続けるか、断念するかについて、口出しはしません。すべて、選手個人個人に任されております。スポーツ選手にとって体の状態をしっていることは大切なことです。また、コーチもいざというときは処置ができます。しかし、ほとんど誰も断食をリタイヤするものはいませんでした。もちろん熱中症で病院に運ばれるものもいません。
ただし、過酷な練習をしても大丈夫な人がいるのだからと、自分自身にもあてはめないでください。彼らは、普段より訓練をしており、耐えれるだけの体力があるからなので、一般の人たちはとても真似はできないのです。それぞれ個人差があるということは知っておいてください。
・・・続きます
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