日本の主なマスジド分布図
2009年4月1日現在
2009年4月1日現在
『日本イスラム史』(小村不二男著、1988,東京・日本イスラーム友好連盟)によると日本で最初に建てられたモスクは、昭和6年(1931年)名古屋市千種区の名古屋モスクであった。その後1930年代には、35年に神戸モスク、38年に東京モスクと相次いで大きなモスクが建てられている。
 残念なことに名古屋モスクは第二次世界大戦時に焼失してしまった。一方、神戸モスクと東京モスクは戦災を免れ、戦後、日本のイスラムのシンボル的存在として、また、東西のムスリムの拠点として、2モスク時代が長く続くことになった。ところが、東京モスクは老朽化には勝てず、ついに1986年取り壊されてしまうこととなった。残る神戸モスクは、阪神大震災でも壁の一部にひびがはいった程度で持ちこたえ、いまだに建立当時のままの雄姿を見せてくれている。
戦災も震災にも耐えた神戸モスク 以前の東京モスク 現在の東京モスク
日本のモスク建設・購入ラッシュは1990年代から始まったようだ。
 2004年6月現在日本国内に数十のモスク存在していると言われている。それもかなりの勢いで各地にモスクが設けられているため正確に今いくつモスクがあるのか数がつかめない。また、東京モスク、神戸モスクのような収容人数の多い大規模モスクから、ビルの一室を借りて礼拝場所としているムサッラーと呼ばれるものまで、規模はさまざまでどこまでを取ってモスクと呼んだらいいのか線引きをすることは非常に難しい。それで、規模や礼拝参加人数は度返しにして、モスクとしての知名度だけでピックアップしたものが上記の一覧である。
 これらモスクの中には、東京モスク、八王子モスクのように建設資金の大半をあるイスラム圏の政府が出したものもあるが、それらは珍しい方で、一般的には地域の人達がお金を出し合って購入したり、建設したりしているものがほとんどで、集会所としての本来のモスクの在り方を窺うことができる。
 ユニークなモスクをいくつか紹介してみよう。
1、旧伊勢崎マスジド
 町工場であったものを改造してモスクとしたもので、別名プレハブ=モスクと呼ばれていた。現在は建て直し立派なマスジドが建っている。
2、境町マスジド
 もと駅前のパチンコ店だったもので、1階ホールに絨毯を敷き詰め礼拝堂としている。ネオンサインの看板だったものは、ミナレットの絵が描かれている。
3、富山新湊マスジド
 もとはコンビニだった建物で、一階平屋建て、入り口は自動ドア、どう見てもモスクには見えない。駐車場が広く、礼拝時間になると近所の人達が車で次々に集まってくる。
4、各務ヶ原マスジド
 もとはカラオケボックスだったものを買い取り、改装してマスジドとしている。沢山の部屋に分かれていたものを、壁を取っ払って広い礼拝スペースを作っている。
写真に岐阜モスク(マスジド)と書いているが、現在の岐阜マスジド岐阜市古市場にあり、このマスジドは各務ヶ原マスジドと呼ばれるようになった。
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