母音記号を付けてみよう
 アラビア語の新聞や雑誌など通常の出版物や、日常やり取りしている手紙や掲示物には、母音記号は省略している。母音記号が丁寧についているのは、コーランのアーヤくらいのものである。
アラビア語雑誌から
コーランのアーヤから
 私たち外国人がアラビア語を学ぶ時には、まず第一歩としては母音記号をつけて学ぶのが一般的である。また、コーランの場合は、間違って読まないように、また、非アラブ人でも読めるように、必ず母音記号が付いている。アラビア語学習が目的ではなく、一ムスリムとしてコーランの読誦をするには、アルファベットを覚え、母音記号を覚えれば、あとは日々の読誦練習だけですぐに読めるようになる。コーランのアーヤは韻をふんでおり口調がよく、覚えるのにも苦労はしないものである。
 非アラブのムスリムは、一般的にコーランは読め、かなりの章を暗記しているものの、実はアラビア語会話はできず、読んでいるアーヤの一つ一つの単語の意味もわかっていない場合が多い。しかし、母国語に訳されたコーラン訳を通して内容を把握ているのである。私たち日本人も簡単に読めるようになるはずである。あとは、コーラン日本語訳と突き合わせて、内容を理解していってもらいたい。
 非アラブ人子女の学習用に開発された教材には、例えばインドネシアのIQRA(ここクリック)、マレーシアのMUQADDAM(ここクリック)などがある。また、当ホームページ作成の『アラビア語学習〜初歩からコーラン読みまで』もマルチメディア版の学習ソフトである。これらの教材を入手すればコーラン読み習得ができるので購入をお勧めする。
母音記号の種類
短母音
1、ファタハ(fathah)・・・文字の上に斜め横棒で表す。
  口を広げて発する母音で、日本語の『ア』
2、カスラ(kasrah)・・・文字の下に斜め横棒で表す。
  口を横に広げて発する母音で、日本語の『イ』『エ』
3、ダンマ(dhanmah)・・・文字の上にWAWを小さくしたような記号を書いて表す。
  唇を丸くし突き出して発する母音で、日本語の『ウ』『オ』
※アラビア語の母音はわずかに3つしかない。「『イ』と『エ』のどちらに近い音を出すか。」などということは一般的には言わない。3つの口の形をはっきりと区別して発音することが最も重要であり、その音が日本語の『エ』に近いか『イ』に近いか、または『オ』に近いか『ウ』に近いかなど全然問題ではない。
長母音
1、『アー』と伸ばす長母音 [a:]
 a.ファタハとアリフ
 b.ファタハとアリフマクスーラ
 c.縦の一本線
 d.アリフの上に波状の横線
2、カスラとヤーで『イー』または『エー』 [i:]
   
3、ダンマとワウで『ウー』または『オー』 [u:]
  
二重母音
1、ファタハとヤー スクーン [ai]
  
2、ファタハとワウ スクーン [au]
  
スクーンについては次項に説明。

(( 戻る ))   次へ>>>>