定冠詞アリフ=ラーム
普通名詞や形容詞などの語頭に定冠詞のアリフ=ラームを加えることにより、その語の意味を限定できる。コーラン第1章開端章2と3を例にとってみよう。
これは次のように読んでいる。
2、Al-hamdu lilla:hi rabbi_l-'a:lami:n
3、Ar-rahma:ni_r-rahi:m
冒頭のAl-hamduは、と最初のアリフはハムザ=ファタハで読み、ラームはスクーンである。
rabbi_l-'a:lami:m:nは、 とアリフは読まず、またラームはスクーンである。このようにアリフ=ラームが文の途中に来たときに、はアリフを省略する。
開端章3のAr-rahma:ni_r-rahi:mは、 最初のアリフは冒頭に来たためハムザ ファタハで読むが、ラームはラーに換わっている()。次の単語のar-rahi:mは、上述のようにアリフ=ラームが文中にあるために、アリフは省略され発音されないが、やはりラームはラーに換わっている。
 上記の三例からわかるように、アリフ=ラームが、冒頭に来ればアリフをハムザ ファタハで読み、文中に来た場合はアリフは省略される。
 また、アリフ=ラームの次にくる文字によっては、ラーム スクーンでそのまま読んだり、あるときは、ラームを次にくる文字と同じ文字に換えて読んだりする。前者をカマリーヤと呼び、後者をシャムスィーヤと呼ぶ。
月文字と太陽文字
 カマリーヤとは、(al-qamariyyah)で代表されるように、アリフ=ラームのあとに、が来ることにより、アリフ=ラームのラームは変換されることはなく、そのままラーム スクーンで読むことを言う。このような読み方は、アリフ=ラームの次にくる文字によるものであり、を含めて次の14文字である。
 
これらの文字を、代表となる(Qamar)が『月』という意味であることから、月文字と呼んでいる。
 一方、シャムスィーヤは、(as-shamsi:yyah)で代表されるように、アリフ=ラームのラームの部分は文字こそ換わらないものの、スクーンに換えて読まれ、母音記号をふる場合はの上には何もふらず、の上に(シャッダ)とともに母音記号をふるというものである。を含めて次の14文字ある。
 これらの文字の代表となる(shams)が日本語の『太陽』という意味であることから、太陽文字と呼んでいる。

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