この にそえて ・・・ no.162                                   


          

 十三射神社の杉・・・ 芸西村の琴ケ浜から和食川沿いの道を遡る。 山間の狭い段丘地に数件の民家が寄り添って、

   その中程に神社が奉られていた。 拝殿は舞台のように田に向かって開け放たれて、杉はその開かれた社殿の屋根から直接

   生えだしたような印象で立っている。 お社の裏にまわると、すぐ後ろの土手との間に奈落のような隙間があり、そこからほとん

   ど垂直に上った、形ばかりの石段が続いている。 張りを持った幹は健康で、枝葉の茂りも良い。 また少し離れて、この杉の

   影のように目通り5.8mのよく似た杉が立っている。 日溜まりに立って景色を眺めていると、まだ十代だった頃

   ここに来ていた事を思い出した。

 


十三射神社の杉  目通り6.1m/樹高33m/枝張り16m/高知県芸西村道家・十三射的神社